太古のロマン「ヤブツルアズキ」
台風18号が上陸
近畿地方でも甚大な被害が出ていますね。
収穫前の稲が水に浸かってしまった様子を見ると
胸が苦しくなる思いです。
北海道の釧路でも浸水した街の様子が報道されて
十勝の畑のことを非常に心配していましたが
先ほど確認した現地の情報によると
水に浸かった畑などは少ないとのことで、少しホッとしています。
(ダメージはゼロではないでしょうけれど…)
さておき、台風一過のすがすがしい青空が広がっていますね
ミュージアム2階の手すりに巻きついたこの植物、一体なんでしょう
茎が巻き付いて青々と茂る葉っぱ
良く見ると可愛い黄色い花も咲いています
…
どこかで見たことがあると思った方は察しが良い
これはヤブツルアズキという【小豆の祖先種】です。
と言うと、小豆ってこんな風に育つのかぁ
と思われるといけないので比較してみましょう。
左が、現在まで最も多く栽培されている品種、エリモショウズ。
右が、アズキの祖先種であるヤブツルアズキです。
自立しているエリモショウズに対して
支柱に巻きついて成長しているヤブツルアズキの様子がよくわかりますね
黄色い花や3枚1組の葉っぱ、莢の形はほとんど同じ
でも、種子は私達の知っている赤くふっくらした小豆ではなくて
黒っぽくて、小豆よりもずいぶん小さいです
(※粒の大きさは正確な比較ではありません)
収穫しやすいよう祖先種(野生種)の持つ「つる性」から
自立した草方へと選抜を重ね、また、粒の大きなものを選抜してきた結果
現在に近い小豆が生まれてきたようですが…
赤い色の小豆というのは、いつ生まれたのでしょうか
縄文時代の遺跡から野生種より明らかに肥大化した
現在の栽培種に近い小豆が見つかり
弥生時代よりはじまる稲作以前の農耕を証明されましたが、
その小豆は赤かったのでしょうか
謎は深まるばかり。
太古のロマンに満ち溢れた「ヤブツルアズキ」は
もしかしたら皆さんの近くの河原や土手にも生えているかもしれません。
コメント
台風での被害は大丈夫でしたか?北海道の方、無事でよかったですね。
青空の元、祖先?を見ているあずきさん、かわいいです。
彼岸の入りですね。ご先祖さまとおはぎ、いただきます。
2013年9月18日 10:56 PM | ありす
>ありすさん
雨がすごかった深夜にも、スマートフォンで
河川の水位の情報を確認していましたが、
姫路の本社工場に被害は無く、一安心です。
ご先祖様を敬うあずきさん。
秋のお彼岸にはきっとおはぎをお供えして共にいただくのでしょう。
それにしても、縄文時代の人はどうやって小豆を食べていたんでしょうか?
縄文クッキーや縄文ハンバーグに入れていたのでしょうか。
遠い遠い先祖とヤブツルアズキの関わりを想像しながら
おはぎを食べるというのも、夢があって楽しそうです。
2013年9月19日 2:16 PM | 豆三郎
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